温泉みみず芸者 - diary.jgs.me
前々から鈴木監督のフィルモグラフィーを追いかけたい欲にかられていたので、ピンク映画のデビュー作の「温泉みみず芸者」をレンタルしてみました。東映さま、懐が広くて過去の偉大な作品をDVDとしてプレスしてくれて本当にありがとう…! 蛸壺猟の開祖であるところの多湖家の女たちは、まるで蛸壺のような名器の持ち主ばかりで男癖が悪い。主人公一家の母親がとにかくこれがだらしなくて、しょーもない男にひっかかっては金を持ち逃げされて(一家の金は仏壇の蛸壺に仕舞っているくだりとかもめちゃ面白い)仕舞いには先祖の墓を抵当に入れるぐらいまで困窮してしまう。これでは先祖に顔向けできない、と主人公の圭子は一路東京へ。東京についた圭子はトルコ風呂で働きはじめて、超絶テクニックでガンガン稼いで実家に送金する。評判のテクニックを試そうじゃないか、とトルコ風呂のオーナーに奉仕するのだけど、あまりのテクニックと蛸壺っぷりにオーナー絶命。この演出がめっちゃ面白くて、イキ顔した次のカットで霊柩車が走る映像が流れるんだけど、そのワンテンポ早くお坊さんがお経を上げてる音が入るんですよ。字面で書くとアレだけど、この作品の名シーンのひとつだとおもう。 それで、実家に送金してた金は結局だらしない母に西伊豆の温泉でパーッと使われていて、相手の男にはまた遁走されたので、借金を返すために圭子がここで働くことに。しかし、たちまち圭子の名は広まり、EDのマムシホルモンという会社の社長がやってくる。超絶圭子にはEDもなんのそのでマムシホルモン社長はついに自信を取り戻す。このマムシホルモン社長、先に腹上死したトルコオーナーと瓜二つ。あとで実は兄弟ということが発覚するのだけど、つまりこれはフラグである。伊豆沖をクルーズしながらコトに及んでいたら、またも絶命。ここで2回目の霊柩車演出があって、1回目に増して笑った。 マムシホルモン社長という金づるがいなくなった伊豆に、芸者を性の虜にして使い物にならなくする温泉荒らし「無限精流」の男たちが現れる。流祖・竿師段平、八段・黒竿段吉、五段・ピストン健(この名前のセンス)の3人はさっそく伊豆の芸者を自分たちの虜にしてしまった。これでは温泉の経営がやっていけなくなる、と危惧した温泉組合は対策を講じる。なんと多湖家の女たちと「セックス三番勝負」で決着をつけようというのだ。レギュレーションも全くわからない謎のセックスバトルが今はじまる! 母は試合前に八段と五段にやりこめられていたのであっさり敗退してしまう。最後までつくづくどうしようもない母である。第二戦では、物語の冒頭で、バナナをしゃぶりながら障子に穴を空け、母の濡れ場を覗き見していた妹・幸子も立派な蛸壺マスターになっていて、五段を倒す。倒すといっても、どこで判定しているのかよくわからないが、とりあえず倒した。そして、ついに真打ち・修行して得たという一升瓶六本分の精液を発射するという竿師段平と圭子の一騎打ちがはじまる。
なんやかんやあって、最後は波打ち際で大量のタコが竿師に襲来して、その甲斐あって竿師はついに一升瓶六本分の精液を噴射して絶命する。多湖家の女が勝ったのだ!やった!この終盤のシーンは、お祭りみたいなドラッグ映像と濡れ場を交互に出すというドラッギー仕様になっていて面白かった。あと、タコが襲来したときに「ご先祖さまが助けにきてくれたんだわ!」と一同盛り上がるシーンも笑った。
ついに多湖家の墓を取り戻した三人は、墓前で「女はみんな神様なんだよ」「アッハッハッハ!」と語らい劇終。オナホアーティストのくだりや、ひざと間違えられるチンコを持つ板前と太平洋と呼ばれた女将さんの話なんかは端折ったけれど面白いのでぜひ本編で確認してほしいです。
オッパイ有り、笑い有り、勧善懲悪有りとオモシロ要素盛りまくりの大変素晴らしい映画でございました。ぼちぼちと鈴木監督のフィルモグラフィーを見進めていきたい所存です。 あー楽しいゴールデンウィークだった。
May 7th, 2013 12:51am